半導体市況 2020 1 13

 需要が多くて、供給が少なければ、価格は上昇する。
しかし、需要が変わらなくても、供給が減れば、価格は上昇する。
 ところで、昨年だったでしょうか、
パソコンの市場価格が高くて、
必要量が確保できなかったという話を聞いたことがあります。
なぜ、パソコンが高いのかというと、供給量が少ないというのです。
 そうだったら、パソコンの供給量を増やす。
つまり、パソコンの生産を増やせばよいと思うでしょうが、
そう簡単に解決できないのです。
 パソコンは、多くの部品で構成されています。
頭脳に当たるCPU(プロセッサ)、
一時記憶装置であるメモリ、
記憶装置であるハードディスクやSSDなどがあります。
 ところで、昨年だったか一昨年だったか、
趣味でパソコンを自作する人たちが、
「インテルのプロセッサが品薄で手に入りにくい」という話をしていました。
 プロセッサがなければ、パソコンを作れません。
いくら、メモリやハードディスクがあっても、
肝心のプロセッサがなければ、意味がないのです。
 そうなると、メモリやハードディスクは無用の長物となりますので、
在庫はあふれ、価格は下落するでしょう。
一方、プロセッサは品薄なので、価格は上昇するということになります。
 風の噂では、「インテルで、10nmプロセスの立ち上げがうまく行っていない。
だから、プロセッサが供給不足になっている」という。
 ただし、このような話は、昔から、時々ある話で、
みんな、「そのうち、何とかなるだろう」と思っていました。
 もちろん、インテルからAMDに乗り換えた人もいるでしょうが、
長年、インテルを使っていて愛着があるので、
乗り換えず、待っていた人もいるでしょう。
 しかし、「そのうち、何とかなるだろう」が、いつまで経っても続き、
「いったい、どうなったのだろうか」と思っていたら、
このような記事を見つけました。
「プロセッサ供給不足で謝罪したインテルの異常事態」(1月3日、JBpress 湯之上 隆)
 インテルは、2016年に10nmプロセスの立ち上げに失敗したことが原因で、
2018年以降、需要に見合うプロセッサを供給できない状態が続いていた。
 このような中、2019年5月に行われた投資家向けミーティングで、
「当社の10nmプロセッサは、これまで出荷予定に遅れが生じていたが、
今回は、2018年に発表したスケジュール通り、2019年6月に出荷を開始できる見込みだ」と説明し、
2019年後半にはプロセッサの供給不足が解消できる目途が立ったことをアピールした。
 しかし、残念ながら、インテルは、上記計画通りに10nmプロセッサを製造することができず、
プロセッサのカスタマーに対して書簡を公表し、「異例の謝罪」を行うとともに、
TSMCやサムスン電子などに、プロセッサの生産委託を行う「異常事態」に陥った。
(引用、以上)
 これを読んで、多くの人は、
「趣味でパソコンを自作している人たちは、大変ね」と思ったでしょうが、
実は、パソコン自作どころか、世界経済に影響する話になります。
 世の中、「ビッグデータの時代である。
ビッグデータを制する者が世界を制する」と言われ、
IT業界の巨大企業が相次いでデータセンターを建設しているのです。
 それを見た半導体メーカーが、メモリの大量生産の体制に入った。
これで、「半導体の好況」がやってくるはずだったのです。
 しかし、データセンターというからには、
多くのコンピューターが設置されているはずであり、
コンピューターの頭脳として、プロセッサが必要です。
つまり、十分にプロセッサが供給される必要があります。
 私は、「そのうち、何とかなるだろう」と考えていますが、
10nmプロセスは、「大量生産・大量供給」としては、微細技術の限界かもしれません。

冬が来ると 2017 12 24
 冬が来ると、パソコンを作りたくなる。
なぜかというと、昔ほどではありませんが、
冬が来ると、「パソコン自作」の雑誌が本屋に並ぶからです。
 さて、なぜ、このようなことを書くかというと、
プログラミングを学ぶ上で、
パソコン、つまりコンピューターが、
どのような仕組みや構造になっているのかを知っている必要があります。
 こうした仕組みや構造を知っていないと、
プログラマーとしての「壁」に直面するでしょう。
 次に、「パソコン自作」というテーマが、
日本の製造業に問題を提起しています。
 普通の人が、秋葉原に行って、
パソコン部品をかき集めて、
高性能なパソコンを製造できてしまうのです。
 いや、今や、ビックカメラのような家電量販店でも、
パソコン自作用のパーツを大量に並べて販売していました。
 パソコン部品の製造地を見ると、
一番多いのが、台湾でしたが、
中国、シンガポール、マレーシア、タイもありました。
 そうすると、パソコン部品をかき集めて、
自作パソコンを作るとなると、
世界各地から優秀な部品を集めてパソコンを製造するようなものです。
 すべての部品を国産にしたいと思う人がいるでしょうが、
それでは、コスト高になってしまう上に、調達に手間がかかります。

書名 PC自作の鉄則 2018
出版社 日経WinPC編 日経BP社

 「日経WinPC」というと、パソコンブームの時は、
「日経WinPC」という月刊誌が本屋に山積みになっていて、
私は、毎月買っていたことを思い出します。
 さて、今年(2017年)は、CPUの「当たり年」でした。
「CPU豊作の年」と言ってもよいでしょう。
 ここ数年、CPUは低迷していたのです。
ところが、今年前半に、「AMD」というメーカーが、
「Ryzen」という画期的なCPUを発売すると、
「Intel」が次々と革新的なCPUで対抗してきたのです。
 やはり、ライバルメーカーがあってこそ、
業界は発展するということでしょうか。
 さて、「パソコン製造」というと、
何か難しいことのように思うでしょうが、
基本的に「パソコン製造」は、料理と同じようなもので、
材料を集めてきて、組み合わせて作るのです。
 さすがに、カレーライスのような簡単な料理ではなく、
中華の「酢豚」を作るようなイメージでしょうか。
 まずは、食材を集めて、
いや、パソコン部品を集める必要があります。
CPU
マザーボード
メモリー
SSD
HDD
グラフィックスボード
PCケース
電源ユニット
キーボード
マウス
液晶ディスプレイ
OS(Windows)
 こうした部品が集まったら、
あとは、プラモデルのように組み立てるだけです。
いや、プラモデルよりも簡単です。
 「パソコン製造」には、
プラスドライバーが1本あれば製造が可能です。
 プラモデルの場合は、
いろいろと小道具を揃える必要があると聞いたことがあります。
 ところで、私は、今は、パソコン自作をやっていません。
何かと忙しい人には、別の方法で、「パソコン自作」気分を味わうことができます。
それが、「BTO」です。
 もちろん、若い人や時間に余裕がある人は、
ぜひともパソコン自作に挑戦してください。
得られる成果と充実感、さらにスキルアップなど、十分に満足感があると思います。
 さて、「BTO」とは、要するに、パソコンのオーダーメイドです。
家電量販店で売っているパソコンが既製品だとすると、
オーダーメイドでパソコンを注文する方法です。
 多くの人は、オーダーメイドでは高いのではないかと思うでしょうが、
実は、既製品よりも、オーダーメイドのほうが安いのです。
 問題は、オーダーメイドの場合は、
注文してから、パソコンが届くまで、1週間ぐらいかかることです。
 オーダーメイドなので、自分好みのパソコンができます。
CPUは、「Intel」にしようか、「AMD」にしようか。
HDD(ハードディスク)は、どの大きさにしようか。
グラフィックスボードは、「NVIDIA」か「AMD」か。
 このように、オーダーメイドで、
パソコンの部品を一つ一つ指定していきますので、
「パソコン自作」気分を味わうことができます。
 オーダーメイドのメーカーは、どこか。
有名なのは、テレビCMでよく流れている「マウスコンピューター」でしょうか。
老舗では「ツクモ」、「ドスパラ」、「パソコン工房」でしょう。























































































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